携帯電話不携帯
忙しいBAND活動の合間を縫ってせこせこ出勤している(有)野●組の営業担当S山さんは今年74才。
愛車インスパイアの走行距離が200000kmを越えてずいぶん経つ彼が今朝嘆いていた。
「最近携帯の充電がすぐ切れちゃうよ。
十日くらいで終わっちゃうよ。」
いやいや十日ももてば充分でしょう。
ていうか十日も持つの!?
驚きだ。
そして彼はその携帯電話をデスクの上に置きっぱなしで出かけていった。
営業社員がこのご時世、どうやってお得意様と連絡をとるのだろうか?公衆電話?
一時間後、彼は社に戻ってきた。
「携帯忘れちゃったよ。」
「あ、でも電池がないや。」
どうやら朝に嘆くだけ嘆いて、充電器をコンセントに差すのを忘れていたらしい。
そして今度は携帯電話をデスクの上に【置いて】で出かけていった。
しかし今回もその充電器がコンセントに差し込まれている様子はなかった。